2話 4
しかし…リヴァイアサンはバルちゃんの警告を聞かず僕達が乗っている船に接近して来た。
「レヴィヤターン…失せろって言ったはずだ!」
最終警告も無視したリヴァイアサンにバルちゃんは戦いを仕掛けた。
……やはりこうなる!やばい!
「灰にしてくれよう!炎魔よ!」
ナーズラ村のイビルゲートを全壊させた真紅の火をリヴァイアサンに撃ち放した。
リヴァイアサンもその巨大な口を開けてブレスのような光線を撃ち出して互いの攻撃は相殺された。
凄い光景で開いた口が塞がらない…ていうか!巻き込まれると洒落にならない!
「ビィィー!!全艦!全速で散回しづつ離脱だ!巻き込まれたら終わりだぞ!」
魔王軍の船は散回しながら海域を全速で離脱を始めたが…リヴァイアサンとバルちゃんの攻撃の衝撃波とリヴァイアサンの巨体に当たって数隻は木っ端微塵となった。
沈没している船から兵達は海に飛び降りた。
「ああ…我が兵達が!海に流された者を救助しろ!」
「こんな状況では母艦まで危険です!」
しかし…戦いの衝撃によって海が荒れ過ぎて流されている兵の救助は無理だった。
沈没した船から獣人の兵達が必死に救助を求めて姿に胸が苦しくなった。
ああ!ケモノ耳モフモフ達が……。
しかし…僕には救助出来る術がない…助けを求める亜人達をただ見つめるだけだった。
その時、頭の中に聞いた事も無い言葉が浮かんで無意識的に言って見た。
「onerariis object.(物体移送)」




