2話 2
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
はぁはぁはぁ…胸が…苦しい!気持ち悪いし、船酔いか…何かな?
寝室で寝ていた僕は急に心拍数が上がり苦しくて起きてしまった。
はぁはぁ…お水か欲しい…。
「イリヤ…リリヤ…お水…」
双子も居ない!バルちゃんを警戒していつも部屋の隅で隠れてたのに…いざと時は居ない。
かん!かん!かん!かん!
その時、緊急事態を知らせる鐘が鳴ってデッキから騒がしいて慌ただしい声がした。
「この海域から全速離脱!急げー!」
デッキからテスラさんの緊迫な声が聞こえて…また、デビルヴェールでも出たのかと思った。
それで僕も寝室からデッキに上がると…目の前に見えた光景に…驚きを隠せなかった。
凄い数の海の生物達が逃げるように水面から飛び出して暴れていて…船の後ろから巨大過ぎると言っても足りないほどの超ー!デカイ生物が水面から顔を出し船に近づいて来ていた。
その顔は蛇か龍のような形で…この辺り全ての海域がその生物の体に埋め尽くされていた。
ど、と、どんだけデカイんだよ!
その時…船から何かがその巨体に向かって飛んで行った。
「よう!久しぶりだな、レヴィヤタン!これは何のつもりかな?」
その巨体の顔に降りて話しかけているのはバルちゃんだった。
バルちゃんは不愉快な顔で今でもも殴りつけようとする雰囲気だった。
…ちょっと待った!レヴィヤタン?…レヴィアタン…ん?…げっ!
リヴァイアサン?
嘘だろーー!この世界にもいるの?神話の大海獣!




