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5話 その5

何故ルル姉が消滅しなかったか…霊体から実体の再構築…。


そして…今の僕の現状…。


「力が尽きた私にその移植したアストラルラインが母体に強制的にマナを送り込でいた…ああ!私はなんて事を!!ごめん、ごめんなさい…ハルト君!」


ルル姉は泣きながら僕に謝り続けた。


だが責める筋合いもない…それに何よりルル姉がそれで助かったからそれで良かった。


「そいう事だったんですか?…」


「ごめん…ハルト君!ごめんなさい…うぅぅ…」


僕はルル姉の涙を拭いてあげた。


「泣かないでください…もしルル姉にアストラルラインを移植してもらえなかったら僕はもう死んでたかもしれませんよ?」


「しかし…私の不覚でまた、君の命を危険にさらしてしまった…」


「そんなにヤバイんですか?…」


「ああ…君が死に至るまでそのアストラルラインは私にマナを転送する…もう止める方法は私が…」


「ダメです…絶対許しませんよ…」


ルル姉の性格なら自害してもおかしくない。


続きを聞きたくない僕はルル姉の話しを折った。


「私…ルル姉が居なくなったら…生きたくありませんよ、いつも一緒に…はぁはぁ…」


僕は息をする事すら辛くなって…視野もボヤけて来た。


「ハルト君!!しっかり!」


「他の方法はありせんか?はぁはぁ…」


正直…まだ死にたくないし!諦めてもない。


「一つだけ方法はあるが…君の…この世界の…いや…私にはそのような資格がない…」


「はぁはぁ…ルル姉の世界に行く事ですか?」


「なぜ…それを?」


「…そんな気がしただけですよ」


僕の推測は当たった。


それならいずれルル姉は居なくなる…それだけは考えたくない。


だから僕は決めた。


「僕を…ルル姉の世界に連れて下さい」


「な、何を言ってる!だめだ!向こうに行けば…この世界にはハルト君の存在すべてが消えるんだ!人々から忘れられる!存在した事すら無かった事になるんだ! 軽々しくいうでない!!」


ルル姉は僕に怒鳴って来た。


気持ちは分かる…でも僕としてはそれはどうでもいい事だった。


「そんなの…構いませんよ…」


この気持ちに偽りなどない。


時々寂しそうなルル姉の顔…きっと帰りたいだろ…。


それに二人が助かるならそれでいい。


それに初めて出会った時聞いたルル姉の世界…そのファンタジー的な!ゲームの中のようなその世界に僕は憧れていた。


「な、なぜ、そこまで?」


うーん…正直なぁ…両親から受け継いだ思い出の家と財産!ちょっと勿体無いが…。


でも…ルル姉には代え難い。


ああ…そうだ…僕はルル姉の事が好きなんだ…。


ならば…伝えよう!


「僕は…ルル姉が…大好きです!全て捨てもいいです、離れたくありません…」


おおー!ヘタレのくせに良く頑張った!


そして…その一言でルル姉も嬉しくて迷いを振り払った表情になった。


「本当に?いいの?」


「うん…お願い…一緒いたい」


「ああ!私もだよ!ハルト君…一緒に行こう!二人の為に!」

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