1話 12
そして…テーブルの上は出来上がった料理で埋め尽くされた。
「ジャジャンーーデビルヴェールのホシカレイ風味!塩焼きと煮物!あとお刺身でございます!召し上がって!」
僕は船の食堂で自分の料理を披露した。
醤油ベースでほんのりピリ辛の味付けの煮物、表面が少し狐色に焼けた塩焼き、そして綺麗に盛り積まれた刺身…。
「お兄ちゃんの愛の料理!頂きます……ハム!……こ、こ、これが愛の味…なんと破壊的な旨さ!先までの疲労が吹っ飛ぶ!
まだ僕の料理を食べた事がなかったバルちゃんは幸せな表情で食べてくれた。
「相変わらず憎たらしい味付けね…これじゃアンタの嫁になる人が可愛そう…だょ…」
イリヤは急に顔が赤くなった。
「本当…ハルトさんの料理は美味しいです…食べると本当に元気になりますよ!えへへ」
あの天使のような笑顔……が!怒るとまじ怖いもんな…キャップが激し過ぎる。
「ありがとう!そう言ってもらえると作り甲斐があって嬉しいよ、まだまだ沢山あるから遠慮なく食べてね!」
いい匂いに釣られてテスラさんも来た。
「おお…中々いい匂いですな…ハルト殿のお料理ですか?」
「テスラ姉さんもどうですか?」
テスラさんは同席する前にチラッとバルちゃんを見た。
バルちゃんは料理に夢中だったので安心して椅子に腰掛けて食事を始めた。
「ふむ…ハルト殿の手料理か…では頂きます」
テスラさんは匂いを堪能してから料理を口に入れた。
「ん!な、な、なんだ!この味は!!不思議な甘しょっぱい?ピリッとした後味!この絶妙な塩加減がたまらん!」
「お口に合って良かったです」
「この綺麗に盛り付けてあるのは生魚の身ですな…どれどれ、コリコリしてうまい!生臭さもない!!ハルト殿!なんと素晴らしい料理の腕!!」
「あはは…褒めすぎですよ!まだまだ、沢山あるますから、遠慮なくどうぞ…」
僕は厨房から料理をドンドンドンドン出した…。
ふぅ、あとちょっとだな。




