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1話 5
「ふん!まあいい…また釣ればいいし」
イリヤはまた釣りを始めた。
「勿体無かったね…」
「まあ…アレぐらいならすぐ取れる!ハルトには難しいけどね!うふふっ!」
「ほぉ!また、挑発して来たなイリヤ!大物釣ってギャフンと言わせてやるぞ!」
更に気合が入った僕は大物用のエサに変えて竿を投げた。
「オホホホ!やれるならやって見せなさい!」
「待ってろよ!絶対凄いやつ釣ってやる!」
「釣り舐めんなよ!オホホホ!」
イリヤとのやり取りを楽しそうに見てるリリヤは僕の隣に来てイリヤの昔話しを語った。
「お姉ちゃんは子供の頃から釣りが大好きで…父と良く釣りに行ってたんですよ」
「へぇ…釣りが好きな女の子ってなんかカッコいいね!」
「それにすぐ上達して村一の腕と言われましたよ」
「まじかよ!イリヤ…すごいな!」
リリヤは懐かしそうな表情でイリヤとの思い出話しをしてくれた。
その話を楽しく聞いている僕の横でバルちゃんが睨みつけていた…。
それに反応したリリヤも睨み返して二人の火花が散る睨みっこが始まった。
二人のその睨みっこの集中力を釣りに集中してくれたら…クジラも釣れそうだがな…。




