5話 その4
第ニ幕 始まり始まりです!
ルル姉は部屋に篭って…僕はまた温泉に入った。
ふぅ…疲れた!除草作業って大変だな…。
今後からはマメに来てやって置こう。
それはともかく…ここに来てからルル姉の事が気になって仕方がない。
ルル姉…どうしたんだろ?
今まで見た事ない深刻な顔して…。
死の前すらノリノリだったあのルル姉が…。
原点、原点ね…。
僕はその言葉に何か引っかかって繰り返しながら考えた。
まさか!それって…。
不安な予感がした僕は焦って温泉から出ようとしたが…ひどい目眩と体がフラフラして転んでしまった。
痛い…あれ?逆上せたか?
体が凄く怠い…力も入らない!
しかし…こんな事でのんびり回復を待つ訳にはいかなかった。
僕の推測が正しければその原点っていうのはルル姉の世界の帰り道だと予感した。
焦りながらフラつく体を何とか持たせて部屋に向かった。
やっと着いた僕はルル姉を見て安心たか力が抜けて倒れた。
「ルル姉、良かった…まだ…」
「は、ハルト君!!」
何故か体が上手く動かない…。
「どうしたんだ?ハルト君!うおー!フンガーっ!」
ルル姉は僕を引きずって布団の上に置いてくれた。
「ルル姉…ごめん…長風呂で逆上せた見たい…怠くて気持ち悪い」
「逆上せた?」
ルル姉は僕の目をじっと見て胸に手を置いて何か調べている様子だった。
「違う…こ、これは!そんな馬鹿な!この症状は魔力欠損症状…過度にマナを作り続けた魔力に異常が起きてる!でも…そのような膨大なマナは一体どこに?」
ルル姉はしばらく考え込んだあと自分の体を見ながら震え始めた。
「ま、まさか…そんな…そうだったのか…今までの不可解な出来事は…全てアストラルラインによるマナ共有!」
…その言葉で全てが繋がった。




