1話 2
「はははは!やはり妹様は面白い方ですね!」
「テスラさん…墓穴掘りましたよ?」
「あ?何笑ってるの?身体ごと摩り下ろして魚の餌にするぞ?」
ほらね…。
「すみません…勘弁してください」
バルちゃんの頭に手をポンと乗せて撫で始めた。
「えへへ、お兄ちゃんの撫で撫で好き!」
「テスラ姉さんを困らせないでね…」
僕はバルちゃんの暴走を止めれる唯一の存在…なのでこの子から目が離せない…。
「あっ?それって竿ですか?」
「はい!今…イリヤ殿とリリヤ殿も釣りを楽しむ最中でしてハルト殿もいかがかと…」
「いいですね!やります!やります!」
「お兄ちゃんがやるなら私もやる!」
丁度いい遊びが出来て良かった。
僕とバルちゃんは竿を持って船の後尾に行くと…先に釣りを始めていた双子達が見えた。
双子も釣りを始めて間がなかったか…まだ一匹も釣れて無い。
「よう!二人とも、まだ釣れてないみたいだね…」
イリヤは飲み物を飲みながらウキをじっと眺めていた。
「釣りは魚を釣るのじゃ無い…時間を釣るものよ…」
ほぅ…格好いいセリフ!…でもじじくさい。
イリヤの釣りの姿は渋いおじさんのようだった。
「んじゃ…やるか!」
僕とバルちゃんも釣りを始めた。




