29話 8
「さあ…帰ろう?ラズリックさんが待ってるよ!ルル姉の事本当に心配してたよ」
「そうだな…ラズリックのおかげで苦痛な天界生活をちょっと楽しくなったしな…」
ルル姉はラズリックとのイタズラした昔話をしながら無の空間の出口に向かった。
「そう…レイラさんもルル姉の事…凄く心配していたよ…一緒に来れなかったけど僕をここに入れるように全力で手伝ってくれたよ」
「………………………うん、そ、そうね…まぁ、あいつね…案外面白いおもちゃ…いや…使徒だしね」
レイラさんの事を思い出したルル姉は急に止まって苦痛そうな表情で落ち込んでいた。
………おもちゃ?
それにルル姉のテンションが急激に下がってる!
これはまずいな…レイラさん!一体貴方はルル姉に取ってどんな存在ですか!
帰る気が失せたルル姉は…また崩壊している空間を憂鬱そうに眺めていた。
仕方ない…ルル姉の為に僕は鬼になります!
恨んでもいいです!ちょ、ちょっとだけね…。
「ルル姉…もうそろそろ飽きません?レイラミンチ遊び?」
「うん…ちょっと飽きたね」
「メタファール様でした?不法投棄にもう慣れていましたよ?対策を立てている見たいだし」
「なに!やるな…メタファール」
「他の遊びをしませんか?」
「うん?例えば?」
よぉし!食い付いた…。
「例えば…主神様の聖地になんかの仕掛たり……主神なら、[ごめんね!お兄ちゃん!]と一言で許してくれるでしょう!」
ルル姉は急に目を光らせた…。
「め、め、名案だ!流石私のハルト君!」
ご、ごめんなさい…レイラさん、主神様…。
「ふふふ、そうね…帰るとするか…」
ルル姉は優しく笑った。




