29話 4
僕は恥ずかしいが…今度は真面目に気持ちを伝えると決めた。
「周りが何と言っても僕には優しくて…いつも心配して守ってくれたルル姉が…僕は…スキだよ…」
「…え?」
「実はね…初めて会った時、一目惚れ…しちゃった…あはは」
これは紛れもない僕の本心だ。
「この世界に飛び込んだ雷獣に襲われた時、自分は痛くて傷だらけになっても僕に傷一つ負わせなかった」
結果は死亡してしまったけど…。
「そんな人を嫌いになれないよ…そんなルル姉が僕は大好きだよ…」
(何?この胸にが染み付く感覚…)
ルル姉は涙目になって何かを確かめるように胸元に手を置いた。
「他人の守る為に自分が傷ついても構わない…包み隠さず笑って…怒って…寂しがり屋でワガママだけど…そんな感情豊かなルル姉が…僕は悪い人と思わない」
「ハルト…君」
「それに昔から今までの何から何まで…その全てがあってこそルル姉だよ…一つも欠けてはルル姉じゃなくなる…僕はね…その全てのルル姉が…好きなんだ」
(ああ…あの嘘偽り無い暖かい春の日向のような笑顔…私の悪いところまで全て好きだと?ああ…嬉しい!)
ルル姉はまた泣き顔になった。
でも…あの顔は嬉しい泣き顔…。
くっ!本当に可愛いな!もう!




