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28話 6
そして地獄の最深部から聞こえた無の神の尋常じゃない悲鳴にルルはガクガク震えていた。
ルルは生まれて初めて恐怖を感じたようだ。
「最後に何か意味わかんない事言ったが…」
その言い残した最後の叫び声が凄く気になるルルだった。
「今のハルト君…怖い!超怖い!アレ…本当に私の可愛いハルト君なの?嘘だろ…ほぇ…」
歪なハルトの気配ととんでもない強さにルルは戸惑いを隠しきれなかった。
ハルトは亀裂が消えた同時に身体から漏れ出す黒のオーラと邪紋も消えてそのまま力尽きたように倒れた。
「ハ、ハルト君ーん!!」
ルルは空間の底に落ちて行くハルトを抱きしめて受け止めた。
「ハルト君!しっかり!目を覚まして!」
無の神が居なくなった無の空間は徐々に崩壊が始まった。




