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5話 その2

この辺りだったような…。


あっ!居た!


「ルル姉! お待たせ!」


「おー!早かったじゃないが!」


ルル姉を一人にしてしまった理由は…新年早々姉が出来ましたと言えないし…本当は女神ですと?言えるはずがない。


きっと病院に連れて行かれる…。


それに…あの夫婦だけにはルル姉を会わせたくないのが本音だ。


何されるか分からない予測不能な夫婦だ。


それで喫茶店で待つようしたが雪に興味深々だったルル姉は雪が沢山詰まった場所で待つと言い出して聞かない。


仕方なく…母の旧友夫婦に挨拶を済まして元気にやってると伝えて出来るだけ早く戻って来た。


ルル姉は2メートル以上大きい四つの雪だるまの頭に乗って顔を描いている。


「おーー!すげー…いやいや!!危ないですよ!降りて下さい… いや待って!」


「…どっちだよ…ちょっと待て!…これで終わりだ!」


ルル姉は子供みたいな所も時々みせて…可愛いと思った。


妹になってくれたら…全財産を積んであげても惜しくないと思った…。


くっ!無念なり…。


「よし!完成!我ながら傑作よ!うわあああ!!」


「ルル姉!!!」


僕は滑り落ちるルル姉を全力で走って体で受け止めた。


「痛てて…あぶねー!…間一髪だった」


「すまんすまん…」


「怪我が無いからいいんですが…なんですか?これは?」


ふざけた顔に一人は男性で残りは女性のような形の雪だるまだった。


何故か一つの雪だるまの胸辺りに[膨らみ0.5成長終了]と書いてある…。


「じゃーじゃん!!三バカと腹黒まな板じゃ!」


「さん…?まな板?……」


仲が良かった友達?いや神様かな?


雪だるままで作ったぐらいだし…会いたいだろうな…。


その雪だるまを見てルル姉が元の世界に帰らないようにずっと一緒に居て欲しいと願っていて胸が苦しくなった。


ルル姉はニッコリ笑ってどこかで拾った太い枝を…いや!立派な棍棒を手に取って雪だるまに向かった。


そして全力でその棍棒を振り回した。


「コンチクショウが!その頭に詰まった腐った脳みそを取り出してウンコで入れ替えてやろう!うへへへ!!お前のそのペタンコのチチを更にすり減らしてそのまま晒してやる!あはははは!イヒヒヒヒー♩」


女神に有るまじき言葉…フィルターリングを要求したい。


ルル姉はとても楽しいげに崩れた雪だるまを踏んだり蹴ったりした。


なるほど…とても仲が宜しくないようです。


……心配した僕が馬鹿だった。


「ふぅ〜♩しばし物を壊す事がなくってさぁ…ストレス溜まってたよねースッキリした♩」


さすが壊の神…。


帰ったら家にサンドバッグでも設置して置こう。


そろそろ昼時だ


「ルル姉、カニ食べに行きませんか?ここのカニ美味しいですよ!」


「そうなの?行くぅぅ!!楽しみじゃー♩」


相変わらず食い物には目がない。


ルル姉は枝を子供みたいにブンブン回しながらの僕の隣に付いて来た。


こわっこわっ!当たったら痛そう…。


先長に釘が刺さってるし…何故か血痕のようなのが残っているよ!


捨てて貰いたいんだが…その枝がえらく気に入った見たい。


だが…そんな物を持って店には入れない。


「あのルル姉、その凶器…捨てませんか? それ持って店に入れませんよ…」


「嫌じゃ!私のムョルニル!太くて硬い…この殺伐とした形がたまらん!ふふふ…」


ああ…アニメ見過ぎたか…。


旅の準備と訪問先の都合で…一週間ほど時間が空いてしまった。


それで無職の僕は特にやる事が無かったから…まだ返してないアニメDVDを見て過ごした。


暇そうにしていたルル姉を誘って一緒に見てたが…意外と興味深々で超ハマってしまった。


その結果僕達は一週間ほぼ徹夜でアニメ観賞をした。


「おー!空飛ぶステーキ!うーんまそう!」


「なに!どこたぁぁ!」


凄い反応だ……空飛ぶステーキってどんなファンタジーだ。


それに引っかかるルル姉…可愛いが…残念で仕方ない。

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