27話 7
「ああ、ハルト君…ごめんね…」
オゥカスの剣撃で同化率が下がったようでルル姉は少しだが、体を動かしたり喋るようになったようだ。
「ル…姉…、、まけ、、、めた」
ルル姉は力を振り絞って僕の手を取り抱きしめてくれた。
「ごめん…ハルト君、君には迷惑ばかりかけてる…異界に連れて来て一度死なせて…生き返って早々に苦労ばかりだったよね…ごめんなさい」
「へへ、楽で、なかっ、けど…楽しかっ、よ…ル、、姉には感謝、て、よ…」
痛い…意識も飛びそう…血塗れだな、それでも諦める訳にはいかない…。
血を拭き取って傷だらけの僕の顔を見ているルル姉の悲しい顔…。
そんな顔は…ルル姉には合わないよ。
「私の為、命がけでこんなに献身的に…ああ…愛おしい…私のハルト君…」
「泣くなよ…大丈夫だから…ゲホッゲホッ」
「ああ…もういいのよ、こんな私の為に傷だらけになって…もうよく分かったでしょ?私って迷惑ばかりかける厄介者だよ…」
ルル姉は傷だらけの僕の姿に耐えきれずもう諦めた表情だった。
「さようなら…ハルト君」
「る、姉…!あきらめ、、いや、…」
「やっと、私に全て委ねる気になりました?」
意識が…くそぉー!守りたいルル姉を…
「もう…私はこの世に居ない方がいいだろ…」
「さぁー、お別れの時間ですよ?」
だが…ルルは涙を拭き歯を食いしばって無の神に怒りと憎悪と憎しみを込めて睨みつけた。




