25話 8
ラズリックさんは主神にその方法を提案した。
「主神様…一つ方法が…」
「ラズリックよ…その方法とは?」
「シムラハルトとレイラに掛けます…」
「うむ…確かに二人は神ではないが…」
「レイラに力の解放を許して下さい!彼女の最大速度の超光速移動なら無の空間の入り口に弾かれず入れる可能性があると思います、そこにシムラハルトとレイラがルナ様を救うとの考えです」
打つ手がない主神と神々はその方法に賭けるしかなかった。
「分かった、それに賭けて見よう!我々は結界の維持に協力しよう…レイラよ!主神の名で力を解放を許す!」
「はっ!天翼解放…最大!!」
銀色に輝くその翼は前より大きくなって少し羽ばたくだけで飛ばされそうな猛烈な風が吹いた。
「レイラ…いいの?死ぬかもしれないのよ?」
ラズリックさんは心配そうな顔でレイラに話しかけていた。…やはり同僚だな。
「はははは!主様と貴様に今まで何百万回殺されたと思う?もう一度死んだってどうって事はないわ!」
全言撤回しよう…
レイラさんは死に過ぎて死の感覚に麻痺していた。
(消滅するかも…との事なんだが言わんとこう…しぶといし…びびって失敗したら困るし…黙っておこう)
そして…いよいよ…無の空間に飛び込む支度が整った。
「いい?レイラ…最初に接触した方が突入する可能性が高い…まずハルト君を先に送って欲しい…」
「……後に突入した方は?」
「運が悪かったら……ね?」
入れなかったら死ぬと…レイラさんもそれに気付いたようた。
「そうね…人間には危険過ぎるか…」
「だからお願いね…レイラ」
「分かった!奴が死ねば主様も悲しむ…」
レイラさんは後に飛び込む事にしてくれた。
ありがとう…レイラさん。
「準備はいい?ルナ様を感じだ方向にに全速で飛び込むのよ!レイラ!」
「了解!天翼!フルチャージ!」
天翼は凄い勢いで大気中のマナを吸い込み始めた。
「レイラ、ハルトちゃん!頼みます…」
「妹を…ルナを頼んだ、少年、レイラよ」
「お兄ちゃん!必ず!無事に帰ってきてね!ツッ…あの女はどうでもいいけど…世界が滅んだらお兄ちゃんと一緒にいられないし」
…本音は隠せよ。
「皆!分かりました!ちょっとうちの女神様救いに行って参ります!」




