25話 3
「ラズリック姉さん!ルル姉が!あの空間に…」
「恐れたことが起きてしまいましたね…ルナ様…」
ラズリックさんはその空間を悲しそうに見ていた…きっとこの事を知っていたようだ。
一方…神々も無の空間を見て騒ぎ出した。
「狼狽えるな…解決方法をみんなで探すのが先だろ…」
一人の神がみんなを落ち着かせて主神の前に出て来た。
「大神代表として発言を許して貰おう…」
「緊急事態だ、仕来りなど良いボルグランよ…」
「わかった、主神よ…一体何があった?この事態をどう収拾つける?これでは破壊の女神ごと消滅させるしか手は無いぞ?こうなら無いため貴方様に任せたのに…」
燃えるような真っ赤な髪にムキムキな筋肉の身体をしている男…闘志の神ボルグランはヒゲを触りながら主神を問い詰めた。
戻って来たガラーウは主神の背後で縮こまっていた。
「すまぬ…ボルグラン、世の不覚でこの事態になった…」
主神は謝罪して頭を下げると慌ててガラーウがボルグランの前に出た。
「ボルグラン様!主神様は悪くありません!私が主神の御前で不敬な態度や禁忌を犯した破壊の女神の罪を問い詰めたのです…」
ガラーウは主神を庇う為に正直に話すと神々は呆れた顔でガラーウを見てため息をした。
「ガラーウよ………貴様は何様だ?…」
「え?…」
「大神でも無い貴様が罪を問うなど、この身の程知らずがぁぁ!」
「ひぃー!!」
闘志の神ボルグランは激怒してガラーウを怒鳴った。
「我々元老…主神すら兄と言う血縁が無ければ破壊の女神の罪を問うなど出来…」
「ボルクラン…」
「うむ…すまん」
兄ではなかったら主神すら?
……きっとルル姉には色々隠された秘密が多いようだ。




