4話 その5
ルルさんも僕の貧血で青白い顔に免じて一人で入った。
しかし、待ち続けて2時間…。
中々出て来ない…何かあったかな?
仕方ない…。
心配になった僕は死を覚悟して中に突入した。
「なんだ?またか!脆いのう?一体何回目だ?」
「ルルさん?」
ルルさんの声が聞こえた方向に向かって行った。
「ぷはっ!」
彼女の周りにはベルトとストラップが切れたブラジャーの山が出来ていた。
店員さんはその下着のやまの前で心が挫けた表情で棒立ちしている。
新年初売りから災難だな…。
「あっ!このカップ、変な形になってしまったよ?ふ、不良品?」
胸の弾力にワイヤーが耐え切れなかったようだ…。
何たる胸だ!生命の起源より不思議な神秘だよ!
そして、僕は鼻血を大量に流して仰向けに倒れた。
「は、ハルト君!!!!」
ああ…勇者の真似何かするんじゃなかった。
でも……ありがとうございまーす。
これ以上店に迷惑かける訳にはいかないので下着はオーダーメイドする事にした。
次は休憩を兼ねてゲームセンターで遊ぶ事にした。
ふふふ…僕はゲームに関しては全力だ!
例え相手が五歳児だとしても手は抜かない!
「う、上手いな…ハルト君」
「僕に挑むとは…1000年早いわ!あははは!」
「ハルト君…ゲームやると人が変わるのね」
僕に格闘ゲームを挑みぼろ負けしたルルさんは別のゲームを始めた。
リズムに合わせ踏み台に足を置く音ゲー。
それをやり始めてしばらく…。
周りは男の群れに囲まれた。
理由は分かっている…。
ああぁ…あのボイン!ボイン!たゆんたゆん!波打つ胸よ!何と!美しいやら…。
僕を含め…見ていた皆も全員涙流してそれを拭いた。
終わった後皆んなは歓声と…手を合わせた。
有難や有難や…。




