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23話 4

主神の謁見の間の廊下に絶望のオーラが漂った。


「……ねぇ、グランデ…うちらいつまでここに居ればいいの?」


「メルディア…泣きたくなるから聞かないでくれ」


「ここ安全……そこ、ちょっと詰めて…狭い」


「お、おう…しかし、我々の聖地もいずれか燃やされるだろな……ふあ…私の数々のコレクション達が…」


「イヤーーーー!私の美容グッズが!」


聖地と気に入りの品も燃やされると思って芸と美の神は涙をポタポタ落とした。


「へへ…うちはなんも無い…大丈夫」


虚無の女神は何も持てないと安心して喜んでいた。


「あの放火魔…許さん…許さん…許さん…妾の聖地…ぅぅ」


ルルの復讐に怯えて三馬鹿神と既に聖地を燃やされた創造の女神は主神の聖地に逃げて来た。


「ん?なんだお主らここで何やってる…まるで浮浪者のようだな」


黒づくめの氷のような美貌の女性が創造の女神と三馬鹿神を見ていた。


「冥界の女神メタファール!!冥界に住まわせてよ!!ルナファナリールカに目をつけられたよ!助けてよ!」


メルディアは冥界の女神にしがみ付き助けを求めた。


「………悪いが!他当たれ…奴に絡まれるとろくな事にならんわ…」


メタファールはあっさり断った。


彼女もまたルルを嫌っているが…無謀な事はしない賢い神だった。


「そんな!!薄情な…お願い!メタファール!行く宛がないわ…ぅぅ」


「……あれほど奴と関わるなと忠告したはずだったが?…はぁ…うちも奴のせいで番犬ケルベロスが絶滅寸前まで追い詰められたが…最近やっと数が増えた所だ!すまん…許せ…」


「……ああ、これからどうしよう?」


三馬鹿神は益々絶望に染まった。


「主神に頼んで和解の席を設けて貰え…それしか手は無かろう?」


「はっ?和解?あれがそんな生温い奴か?無駄無駄無駄!」


「そうよ!あれは神を名乗る悪魔よ!」


「救助要求!温情希望!」


三馬鹿は冥界の女神に切実な救助の眼差しを向けた。


その時…メタファールに主神の使徒が走って来て冥界からの伝言を伝えた。


「なぁにぃーー!ラズリックが冥界の入り口にまた不法投棄して去ったと?」


「はい…ケルベロスが狂ったようにその方向に走って行ったとの事です」


「まさか…まさか!また、アレか!レイラミンチ!!!……いかん!それを食べたら…またケルベロス達が!!ああああぁぁぁ!おのれ!ルナファナリールカ!!ラズリック!!ウギャァァァァル」


メタファールは奇声を上げながら急ぎ冥界に戻った。

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