23話 3
「全くだ!でも、たまにだが…優しい時もあったな…」
「へぇ…」
兄妹ってやっぱ羨ましいな…僕なら!世界を滅ぼしたって許す!
「それがな…ちょっと派手にやらかした時…本当にやばいと焦って覚悟していたが…以外とあっさり許して貰った時もあったね…」
「へぇ?どんな時だったの?」
「うーーん……………てへっ!昔過ぎて忘れちゃったよ!」
ルル姉のオデコや首すじにはサウナにでも入ったように汗まみれになった。
(ぷっ!お兄ちゃんの前には言えないだろよ…この女の数々の横暴…悪行、自分の事以外は興味もない邪神達すら…年中この女の話で盛り上がってたわ!アンタは一部の過激派邪神達のスター!アイドル扱いされていたわ…笑えるぜ…)
それを聞いたバルトゥールは今度は笑いを必死に耐えているように見えた。
怒ったり笑ったり…忙しいな…。
「うーん…ではその時という感じで許して貰いました?」
(なに?なんか…私…尋問されてる?もしや!こいつにチクられた?)
(いやいや!私は何も言ってない!)
急にルル姉はバルトゥールを睨み付けて…するとバルトゥールはブルブルっと激しく首を横に振った。
なんのサインだ?
「な、なんで?そのような事を聞いて来るんだい?」
ルル姉は少し緊張した表情で質問して来た。
「いや…ちょっと主神様の情報が欲しいなと思って…少しでも主神様を知っておけばもしもの事に対処出来るんじゃないかもとね…」
その話を聞いたルル姉の笑顔は眩しいほど安らかな顔になった。
「なるほど…そうね…情報は大事ね!ゴホン!何をやったのかは忘れたけど……その時…そうね…ちょっと可愛いくお兄ちゃん…と呼びながら…ふざけた感じで許してっと言ったわ!兄はしばらく黙っていたから…本気で怒ったと…やばっと思ったけど…凄い気持ち悪い笑顔であっさり許して貰ったよ…」
………なるほど…もしかしたら……!
「バルちゃんみたいに?」
「これと一緒にされるとカチンと来るが…うん…まぁ、近いね」
謎は全て解けた!ふふふ。
「ルル姉!バルちゃん!作戦会議を始まります!」
「うん?急にどうしたの…お兄ちゃん?」
「作戦って何?」
「いざって時の為です…」
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