22話 8
その時…上空から鐘の音がして光の階段が現れた。
「天界の門が開いた、あの鬼…やっと動いたか…」
光の階段から誰か降りて僕達に向かって来た。
「我は天界の主神の使徒…主神の勅令である!破壊の女神ルナファナリールカ、そしてイビルゲートの攻略を成し遂げた人の子、そして…邪神バルトゥール…主神の謁見の間に出頭せよ!」
「あ?」
「……との事です…ルナ様」
「わかった」
主神様の使徒すらルル姉にびびっていた。
「しかし…邪神を天界に招くとは.あの鬼…どうするつもりだ?」
邪神は敵同士じゃないのか?バルトゥールは大丈夫か?
「あのバルちゃんに被害を加える事はしませんか?」
僕はバルトゥールの身が危ないか確認した。
先まで戦った相手だったが、兄と呼ばれて…好かれてる子を危ない目に遭わせたくなかった。
「それはその邪神の答え次第だ…主神様はその邪神に聞きたい事があると…それだけ聞いている」
「いいよ!お兄ちゃんとずーっと一緒にいられるためなら…行くよ!」
ずーっと…ですか?
この先がちょっと不安になった。
「安心せい…もしもの事になったら私が何とかしよう…」
「ルル姉…ありがとう」
「ハルト君の愛に報えなければな!ふふふ」
美味しい所は逃さないルル姉を皆はゴミを見る目で見ていた。
「皆!ちょっと天界に行って来る!」
やっとここまで来た…あと少しだ。
なんとか沢山の苦難を乗り越えてやっと天界に行ける
気を引き締めていこう!
「ハルト…本当に大丈夫なの?天界だよ?」
「…心配です」
「大丈夫…今までの努力の無駄にしないためにも必ず帰ってくるから…」
「そうか…全てこの為か…仕方ないな…必ず無事に帰ってきてよ…約束の件!まだ叶えて貰ってないからな!」
「そうです!待ってます!ハルトさん…」
双子は心配で僕を引き止めようとしたが…今までこの為に頑張って来た事を気付いたようで僕を信じて無事を祈ってくれた。
「ハルト様…信じて待ってます…」
「ハルト殿…宴を用意して待ってます!」
フィリア姉と魔王さんも天界に上がる僕達に手を振ってくれた。
「ありがとう!皆!じゃあ!」
僕とルル姉…そしてバルトゥールは光の階段を登って天界に向かった。
うむ…大人の階段も…登りたいな…




