4話 その3
現在、日本…。
ルルさんが我が家に来てから四日が経った。
昨日は夜中まで一緒にゲームをやって寝るのが遅くなった。
環境適用能力が高いのか、無神経なのか…ルルさんはもう大分慣れて兄弟のように自然に生活している。
その方が女性に慣れてない僕としては助かった。
「ルルさん?朝ですよ!起きて下さい」
ノックしても呼んでも返事が無いから部屋に突入した。
呼びかけても布団から出ない…。
仕方なく布団を取り上げた。
そこには大きいウサギ一匹がベッドにしがみ付いていた。
「むー!!まだ眠い…あと50年…」
はっ?あ、あと50年って…?
「あの…ルルさんが起きたら世界が変わってますよ……僕ヨボヨボおじさんになってますよ!」
このダメ女神!時間感覚がどんでもなく擦れている。
「うーん…何時だ?」
「もう11時半です」
「もうそんな時間か…昨日寝るの遅かったからな…んじゃあと5年…」
わぉ!ゼロを一つ減らす大出血サービス!ありがとうございます!
それでも長い!長すぎる!!
「だめです!」
僕の必死の催促に激しく抵抗したが…最後は渋々諦めてくれた。
「むっ!わかったっば…」
この人…本当に女神か?
「今からルルさんに必要な物を買いに行くんですが…何か欲しい物があったら言って下さい」
そろそろ店が通常営業を始めて年始初売りが始まる…。
それで買い物に出かけると思った。
引き篭もりだった僕が…このダメ女神ルルさんの為にだ。
人は人と出会い…変わって成長して行く。
どこかで読んだ話しが頭に浮かんでふっと笑ってしまった。
「なに!?か、か、買い物!!」
ルルさんは興味深々な顔で僕を見ていた。
あの輝く瞳……連れて行けってパターンだ。
「あ、私も行く!絶対行く!!」
正解!…だが、困ったな…。
「母の普段着で…いいですか?僕は構いませんが…それにルルさんの服は薄過ぎるし…」
お母さんに慣れてるから僕は全く構わない。
むしろそれでいい!
「………何かないか探せ!今すぐ…」
女神様すら…お母さんには敵わないようだ。
僕はルルさんの為に慌ただしく母の私物を荒らした。
すんません…お母さん。