20話 12
そして…どこにも見当たらないバルトゥールを探しに行った。
どこだ?どこにいるんだ?心配だな…。
あんなのこの下界に野放しにしたら…とんでもない事になるわ…。
それが心配だ!
「おーい!バルちゃん?どこ?気配は感じるが…うっ!う、ふ、む、む!」
「シーッ!お兄ちゃん!静かに!危ないよ!」
バルトゥールは僕の口を手で塞ぎ小さい声で喋った。
「静かにして…本当危ないから…」
「ぷはっ!はぁはぁ…一体どうしたバルちゃん?危ないってどういう事?」
戦いは一応…片がついた状態だ…危険はないはずだ。
ても…この無敵凶悪邪神バルトゥールが怯えて隠れている…。
何かどんでもない事が起きてるかと心配になってきた。
「とても危険で…邪悪なやつがいる…あれは本当にやばいよ!お兄ちゃん!近づいたらダメ!」
邪悪??…邪神の口からその言葉を聞くと思わなかった!
「やっと解放されたのに…今度はあんなのと出くわすとは…」
邪神のバルちゃんが怯える相手…邪悪な?……邪神の親玉でもいるのか?
早く皆んなに知らせないと…。
「バルちゃん!そいつはどこにいる?」
バルトゥールはブルブル震えながらその危険な者に向けて指を差した。
そこに立って居る者は…ラズリックさんと何か深刻な話をしている人物。
「ル、ル、ルナファナリールカ…あの禍々し女!こんなところに居るとは…早く逃げなきゃ…」
…………おい!




