4話 その2
聖魔戦争…それは主神ファナリー歴1709年に亜人に対し差別や虐待に訴えるある人物が立ち上がった事から始まった。
その名は、魔人族のレナートレイズ。
亜人達の自由と人権の為に、彼等をまとめ人族の国に交渉し…様々な努力をした。
だが…人族は彼らを奴隷にしてその労働力で莫大な利益を得ていた。
それを簡単に手放す訳がない。
最後に彼女は神都で神々に助力を求めて来たが…神を崇める事がなかった亜人にはどの神々も力を貸さ無かった…。
絶望した彼女に…唯一破壊の女神が彼女に助けの手を差し伸べて亜人達を守れる為の加護を彼女に与えた。
その加護を授かったレナートは群れる事も協調性もない亜人達を説得してまとめあげる事に成功した。
その後…彼女の献身的な努力に一国家まで勢力を拡大出来たのであった。
集結した亜人達は凄まじく、敵対する国を次々滅ぼし…3大陸の中一つマムンティアの7割を占領するまでに至る。
その後、彼女は[魔王レナート]と呼ばれるようになった。
そして、魔王レナートは亜人を救う為に加護を与えくれた破壊の女神ルナファナリールカを崇めるようにして、それを亜人達も喜んで受け入れた。
だが、これほど大勢力になると予想してなかった神々の中4人の神…芸術の神、虚無の神、美の女神、創造の女神はこの事を面白く無いと思い…これを崩そうと企みを働いた。
創造の女神を主に崇めているレガリス大陸の聖王国カランディアを中心にドワーフやエルフを加えて戦争が始まった。
魔王を警戒する各小国や滅びた国の王族、貴族まで団結してカランディア連盟が誕生して魔王国と激突した。
4人の神の加護の元に連盟は大軍率いて魔王国に侵攻した。
だが4人の神の加護の元といえ相手は戦いに特化した破壊の加護…それに身体的に優れた亜人相手に苦戦の連続であった。
無論、魔王国も被害は甚大であった。
様々な技術や文化に劣る彼等は食料問題や長引く戦争で伝染病が広がるなど深刻な状態に落ちた。
これ以上長引く訳にはいけないと判断した魔王は総力を挙げた決戦を挑む事にした。
苦戦の日々に疲れ果てたカランティア連盟は勝ち目が無いように見えた。
だが、4人の神が禁忌中の禁忌を犯し破壊の女神を異界に封印する事に成功した。
その事で加護を失った魔王国は動揺して崩れ始めた。
その隙を逃さず聖王国の王子と賢者や勇者と歴戦英雄達が特攻を掛けた。
結果、魔王を打ち取る事に成功した。
しかし、疲憊した連盟は魔王国を滅ぼす事は叶わず、解散しざる負えなかった
そして、禁忌を犯した4神も主神の逆鱗に触れて各自の聖地に幽廃される事になった。
魔王国も魔王を失った亜人達は各地にバラバラに散り…国の領土もマムンティアの片隅の一角になってしまった。
それで…勝者も敗者も無くあやふやに2000の時が経つ…。
これが聖魔戦争である。




