20話 11
ルル姉はホコリを払って身形を整った。
「ふっ!三馬鹿は後でじっくり痛ぶってやるとしようか……ふふふ」
……ルル姉は楽しそうに笑った。
しかし…僕はルル姉を見てどうも不可解な疑問が頭から離れなれない。
ルル姉は喜怒哀楽が激しい感情的な性格だ…しかし…異界に飛ばして寂しい思いと消滅の不安感で長年を苦しんだはずだが…。
それでも…憎しみの感情は見えなかった。
そんなルル姉を見て…何故かホッとした。
レイラは青ざめた顔で見を震えて空から降りて来た。
「おー!戻ったか…レイラよ…中々爽やかなそよ風じゃったな…」
「はひ!主様!お許しを…お許しを……」
レイラは土下座して謝罪をした。
ルル姉とラズリックさんは面白く笑いを堪えていた。
「う、うむ!まぁ…お主のその…目も当てられない…残酷な戦いぶりに免じて許そう!」
「あ、主様ぁぁぁ!一生付いて行きます!うわぁぁぁぁん!」
「…うむ、頼りにしてるぞ……クク」
「ぷっ!これだからこやつを揶揄うのはやめられないですね…」
「は、はい?」
全てラズリックの計略に動かされてる事をレイラさんはそれに気付いてないようだ。
まあ…いいけど…僕をいつも睨んでいるし…黙っておこう…。




