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「おかえり…武道会はどうだった?」
「あら…ご存知でした?」
「私を誰だと思ってる」
「さすがですね…」
まず…普通に会話しながらルシファの事を話すチャンスを待っていた。
「オホホ…見て見て!私の広大な畑!そして沢山のシモベ達を!」
「どれだけ拡張するつもりですか?」
「この程度、私の目標にはまだまだ氷山の一角にすぎないわよ」
「あはは…」
その果てしない畑を収穫している八百万の神々が可哀想で致し方ない…。
ヤマタノオロチの安否確認に来たのに災難だな。
それより…鍛冶屋を大きくしていい装備を得て襲撃イベントに備える方がよりいい経験値とレア素材が手に入るのに何故カオス様はこんなにも畑に執着するか分からない。
その時…ふっと頭の中からグロスの記憶と感情が流れて思わず口に出してしまった。
「なんかあの時一緒に見た広大な草原を思い出しますね…懐かしいなぁ…」
「……」
それを聞いたカオス様はびっくりしたような表情で僕を見て照れ臭くさいように笑った。
「ご、ごめんなさい、グロスの記憶と感情が急に伝わってつい…」
「うん…いいのよ」
カオス様もあの時の事を思い出したように少し切ないように微笑えみながら僕の頭を撫でた。




