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「僕に頼みたい事ってなんですか?」
「あの…カオス様に謁見できるようにお口添えをお願いしたいですが…サタン様が貴方様に頼めば可能だと…」
「ティルナノークの居城にいらっしゃるのでいつでも会いに行けばいいじゃないですか?」
「いやいやいやいやいや!レヴィ先輩!この子エゲツない!私に死ねと言ってます!信じられない!」
「いっぺん死ねば?」
「先輩ひどーい!」
「は?どいうことですか?」
「あ、あのですね…あのカオス様に何の手続きなしで謁見なんてありえないし、勝手に入ったらあの二方に問答無用で殺されます」
「へ、へぇ、そうなんだ」
僕は今まで隣のお姉さん的な感覚で気ままに会いに行ったが…確かに他の人はあの部屋に近く事すらしない。
「なら…僕なんかより破壊の女神様やキング様に頼めばいいのに?」
「例えティアマト様でも何かの頼み事がある者を連れて行くには色々手続きと事によっては莫大な見返りも必要になります」
「まじで?それ聞くと断りたくなりました」
「いやいや待てください…だが、例外としてカオス様の身内だけは手続きなしで謁見ができます」
「僕…気楽に頼めるカオス様の身内などいませんよ?」
「ハルトや…その身内ってのはグロスの事だ」
「ああ…なるほど…」
確かにあそこに入るとあの殺伐とした二方が何もしてこないのはカオス様はグロスを身内と認定しているからであって…今まで僕はあの方達にとって空気のような存在と思っていた。




