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僕達は貴賓席に座ると試合開始の合図と同時に参加者全員戦いが始まった。
ほぼ全員が参加していたので予選は大乱闘になるのは予想したが…これは武道会よりまるで戦争のような光景だった。
大乱闘の中、事前に手を組んでいたようないくつのグループが押し寄せて来る者を協力して倒していた。
それを見たロキは鼻で笑いながら呆れた表情をした。
「頭を使ったつもりだが…でもあれは逆効果だ」
「そう?僕はいい考えだと思うけど…」
しかし…ロキの言う通りに何故か参加者みんな一丸となってそのグループ達を優先的に潰していた。
「あれ…?協力グループ達が全滅したよ」
「当然だ…力の証明の試合で協力など彼等が認める訳がない」
「なるほど…ヨトゥンと捨てられた民とは思考が似ているようだね」
「あんなに同じ場所に固まっているとあからさまに手を組んでますと宣伝してるようなものじゃない…俺ならもうちょっと上手くやれたけどな」
神殿の司祭達は休む暇もないくらい重傷者が続々出て彼等の戦いは激しかった。
「あと少しで本戦が決まるね」
「意外と早かったね」
「あいつのおかげかな?」
大乱闘が終わる頃…ダントツで強い一人が次々と参加者達を薙ぎ払っていたがレヴィがその者に電撃を放ってからレッドカードを出した。
「うぎゃーー!」
「反則により退場!」
レヴィの電撃を浴びた彼は黒焦げになって倒れ…僕は何事か確認の為に行った。
「うう…急に電撃を撃たないでください…先輩」
「君はここで何をやってるかな?」
レヴィの事を先輩と言っていたので捨てられた民ではないとわかった
「レヴィ…どうしたの?」
「はい…不正参加者です」
「レヴィの知り合いなの?」
「私がアルケーミュスに戻る時後任したルシファちゃんです」
「ル、ルシファ?!」
しかし、予想もしなかったルシファの登場にヤハウェを刺激してしまうんじゃないかと心配になった。




