19話 その4
ガランディア軍に攻められてパニックになったナーズラ村は今までのぼのぼのした田舎の居心地良さは何処にもない。
戦争になるとこうなるか…この村好きだったのに…。
「ハルトちゃん、まずあの燃えるゴミ…いや…ガランディア軍を片付けましょう!」
ラズリック姉さん、貴方…本当に怖いです。
僕達はまた浮遊し正門に向かうと大軍のガランディア軍が見えた。
「うわー!ウザウザ居ますね…」
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!燃やしていい?」
バルトゥールの顔に「虐殺大好き」と書かれたようにワクワクした表情だった。
この邪神を止めないと大虐殺犯として僕が歴史に名を残す事になると予感がした。
「お願いですから…やめてください、バルトゥールさん…」
「えーー!残念、あと!昔みたいにバルちゃんと呼んでよ!」
「うん……」
昔って言われてもな…?
彼女が何故僕を兄と思ってるか聞きたいが…それは後にした。
ぼぉーーーーん
「うおおおおおうーーー!」
ほら貝の吹き音と共に村の衛兵達の歓声が聞こえた…。
ラーズ王国の国軍が到着したようだ。
.
.
「将軍…」
「はっ!全軍突撃!かかれ!」
「うおおおおおうーー!」
散回してるガランディア軍はラーズ軍の攻撃に次々とバッタバッタと倒れていた。
「慌てるな!数は我が軍が圧倒してる!第三、四陣!回り込み左から攻撃!」
ガランディアの将軍は有能だった…数の優勢を利用し突撃するラーズ軍を受け止め反撃を始めた。
「敵将も…中々やりますね…」
「数の優勢を活かしたか…そう簡単には崩れてくれませんね…」
両方が膠着して益々戦は激しくなった。
「中央本陣!押し返せ!第六陣は後ろに回り込め!」
ガランディア軍はラーズ軍を三の方向で囲み同時攻撃を仕掛けて来た。
「騎兵隊!左の敵陣を叩け!敵に後ろを取られるな!第5陣は回り込む敵陣に阻止しろ!」
ラーズ軍も易々やられてくれない。
.




