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「俺と師が一緒に並ぶとなんかいい感じだね」
「馬鹿を言え…ナイアの白い銀髪と余の黒いローブ…余こそ相応しいであろう」
それを聞いたオーディンが張り合うとロキは余裕のある表情で笑っていた。
「兄弟には悪いが黒なら俺も負けてない」
「なに?お主のどこが黒いんだ?」
「ちょっとこっちこい…」
片隅でロキがズボンの下を見せるとオーディンは悔しそうに敗北を認めた…。
「ま、参った」
「ふふふ…黒を名乗るならもうちょいそのローブを黒く染め直してから名乗るがいい」
僕もその謎のマテリアルがどうなっているか気になって仕方ないが…ヨルちゃんが恥ずかしくて死にそうな様子でこれ以上突っ込まない事にした。
それでレヴィにヨルちゃんとオフィスの部屋を案内するように頼んでこの場から遠ざけた。
これがヴァルハラの名物…ロキ。
うむ…やはり侮れないやつだ。
「ロキ…あと念の為に言っとく、絶対ハルトの姿だけは化けるなよ」
「師がそう言うならやらないが…なんで?」
「前に私がハルトのマネをした事があったが…それだけで破壊の女神にネチネチと未だに引きずってる!もしハルトに化けてイタズラでもしたら間違いなく殺されるぞ」
「ああ…あのこわーい姉さんね」
「貴様…誰がこわーい姉さんだって?それにやっとあの時の記憶を忘れていたのにまた思い出してしまったじゃない!」
ロキの背後に凄まじい殺気を放つルル姉がいた。
ロキを取り逃したあの時の出来事はルル姉としてはちょっと衝撃的過ぎただろう…。
ロキが怒ったルル姉から逃げ回るとあっちそっち何か壊れる音が城内に響いた。
これからここは更に騒がしくなりそうだ。




