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19話 子供には目を離してはなりません…その1
僕達はラズリックさんの力でイビルゲートの地下から浮遊して地上に上がった。
「と、飛んでる…ひぃ!」
僕は空中に浮いている不安感に落ち着かなくて…子供のようにリリヤの腕を掴んでしまった。
「ハルトさん…どうしました?顔色が悪いですよ?」
「いや、苦い思い出があってね…空中は苦手だよ…」
アイシビエッチの事を思い出すと体がガタガタ震える…あれはもう二度と経験したくない!
「そ、そうですか…なら、仕方ないですね」
リリヤは僕の腕を組んでピッタと密着してきた。
うむ…柔らかいこの感触…これはこのトラウマを克服するフラッディング療法として毎日受ける必要があるな。
「いいですか?バルトゥール…地上では自重してくださいな…派手に力を使わない事!」
ラズリックさん…そこはもうちょっときつく言い聞かせて欲しい…。
「ふん!私に指図するな…分かってる!」
本当かな…。




