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「ルーティヤー!大丈夫か?怪我はない?」
「カオス様、大丈夫です」
「そうか…無事な姿を見て安心したわ」
この三方が揃ったには何がとんでもない事が起きるかヒヤヒヤしたが…バムの無事を確認したティアマト様はレヴィとジズを連れてナンムに帰って、ガイア様はエレボス様とリュクス様と一緒にタルタロス界に…カオス様もティルナノークに戻った。
「こんな見苦しい姿…あまり見ないでください」
魔獣に落ちたバムは今の姿を見ている僕の視線が気になる様子だった。
「カッコいい…」
「はい?若旦那様はこんな禍々しい私を見苦しいと思わないですか?」
「まさか!超かっこいい!うほう!すげー!」
近くで見たバムはドラゴンのような外見で二足で立ち、強靭な両手をもったその姿は迫力が半端なかった。
「ハルトや…バムの姿が何かわかるか?」
「ん?ドラゴンのように見えるけど…違うの?」
「いや…間違ってはない…ドラゴンの正式な名称はドラグルペス、奴らは名には必ずニかスをつける、その正体はバムの遺伝子を持って作られた生物達だ」
「へぇ…そういえば竜達の名前はニやスが多い気がする」
「だがハルトが知ってるドラゴンとは神々から逃げて長い間に退化した者の朽ち果てた姿…バムの今の姿が真のドラゴンの姿なんだ」
「そうだったんだ…しかし、何故ドラゴン達は神々から逃げたの?」
「それは後で話す…」
「うん…」
ナイア兄さんはバムのかっこいい姿に何故か不満を持っている表情をしていた。
「何故、バムの最終進化がこの型かカオス様に問い詰めないとな…頼んだぞハルトや」
「うん!わか……ん?」
この人…またそんな事は僕にさらっと押し付けやがる!
でもバムの姿にナイア兄さんのこんな反応をしてる事に僕も気になってカオス様にさらっと聞こうと思った。
とにかく今はカオス様の条件一つをクリアしてバムを取り戻した事とイリヤとリリヤにまた会えた事が何より嬉しい。
僕達はバムに乗ってティルナノークに向かった。
「キング様は早くナンムに帰ってよ」
「そうです!キング様…邪魔です」
「いやだよ!それに君達…ハルトの前だと私に対しての態度が急変するね」
何故かキング様まで付いてきてる。
まぁ…いいけど。




