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18話 その8
「あの、お二人さん…」
「お兄ちゃんに…お兄ちゃんに!悪性の毒虫が……消毒よ!燃やしてやる!炎魔よ!」
「あなたこそ!吹き飛べ暴風の風吹!」
火と風を纏って構えた二人の中に入って僕は戦いを止めようとした。
あー、これて、死んだらマジで笑えない…。
「ば、ば、バルトゥールさん!リリヤ!頼むから落ち着いて!」
「お兄ちゃん!どいて!あの毒虫!燃やせない!」
「ハルトさん!離れて!あのババァ!飛ばせない!」
「誰がババァだぁ!」
「誰が毒虫だよ!」
なんか…このやり取り…。ちょっと面白いと思った。
いやいや…そんな事思っている場合じゃなかった。
「二人共!ちょっと待って待ってば!」
必死に止めたが…もう二人共僕の話を聞いてない…これ…まじヤバイ。
その時、僕の前に空から光の柱が現れた。
「ハルトちゃんーー!無事で良かった~」
その中からラズリックさんが出て来た。




