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そんな危険性を持つ彼等を抱き抱えたままでは…ティルナノークはまた戦火に巻き込まれるのは明らかだ。
身の安全の引き換えに隔離し、監視をする選択肢もあるが…彼等が望んでいるのは自由…僕と交わした約束に反する。
僕は領主としてはこの件は諦めるのが最善であり、彼等を守りたい気持ちは僕の我がままだ。
それにその我がままに見合う責任を背負う事すらできない僕はちっぽけな存在だ。
しかし!ちっぽけな存在だからこそ…この件は押し通せると思った。
「返事は?」
「カオス様…僕の我がままを聞いて貰えないでしょうか?」
「それを認めるのは簡単だ…たが、君がその事の責任を背負えるか?」
「僕、そんな重い責任を負えないです…」
「それもそうだな…こんな事を人間が背負えるなどできないよね…」
「そんな事ではなくて…」
「ん?じゃ…なんだ?」
「あの……今、僕は未成年なので…」
それを聞いたカオスはポカンとした顔でしばらく固まって、エレボス達も呆れた顔で僕を見ていた。




