18話 その4
主が二人に凄まじい殺意を向けると双子も構えた。
「くっ!ハルトから離れろ!化け物め!」
イリヤはギリギリ威圧感を耐えて身構えた。
だが…冷静で臆病なリリヤが…堂々と乱れなく主の前に出て立ち向かった。
「ふっ!へぇ~3000年ねぇー」
「ん?貴様…何が言いたい?」
リリヤは鼻で笑って敵意丸出しの顔で主を見ていた。
「17歳のハルトさんがお兄ちゃんっておかしくてね…あなた、年の差…計算出来ませんか?」
り、リリヤさん?
「はっ?その口の利き方…どうやら死にたいみたいだな…せっかく機嫌がいいから見逃してやるつもりだったのに…この私を誰だと思ってる?」
「あら〜先まで自己紹介はおろか、ギー、キキ、ウギャと吠えてばかりでしたのでね…何処のどなたか存じませんね!うふふっ!あの姿…滑稽でしたよ!キャハハ!」
リリヤはわざとらしく笑った…挑発している!やめろぉ〜!
「この私は!邪神バルトゥール様だぞ!身の程知らずが!」
邪神だと……まじかよ!
やはり最初に感じたあの気配とこの計り知れないこの力!
これは…まずい!このまま戦いになったらまず勝ち目はない…確実に死ぬ!
ここは…戦ってはダメだ!幸いに邪神は何故か僕の事を兄と勘違いしてる…まず二人を落ち着かせてから…話し合おう。
それで僕は穏便に済ませるプランを考えた。
「あの…二人とも…」
「はっ?邪神だがなんだか知りませんが…まずハルトさんから離れて言ってんの!幼女の皮を被った超ーーババァーが!」
おほほぅ…あぁ…終わった!ハイ!お疲れ様でした!仲良くお手を取り合いスキップしながら冥界に行きましょうか!
邪神相手でも引かないリリヤ…貴女こそ、真の勇者です。
「あ、あ、う、ば、ば、ば……」
邪神バルトゥールはドン引きした顔で僕に何か言いたがる表情だが…ショックで言葉が上手く出てこないようだ
何を言いたいか分かる気がした。
「こ、この私を……ばばぁ!だと?い、イかれてる!ははっ…まじイかれてるよ!!!お兄ちゃん…こいつと関わらない方がいいよ!」
無理だ…もう手遅れだょ。




