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ナグルファル…それはラグナロクの時…巨人フリュムが舵を取りスルトと手を組んだ巨人達と死者の軍勢を乗せてアスガルドを侵攻した時に使われた。
「ナグルファルってあの飛行艇?なんでこんな物をナイア兄さんが持ってるの?」
「ん?フレイヤを追っていたスルトの奴がこれを乗って私がいる場所に来たからこれは戦利品ってやつだ」
「あ…なるほど、他には何を隠し持っているの?」
「あはは…そんな目で見ないでくれ…昔のオーディンみたいな顔だ」
「いやだな…あんなむっつりと同じ顔と言われるとちょっと失礼だよ?」
「あはは…だな」
オーディンが神具の奇王と呼ばれる理由はナイア兄さんを意識してからとバルに聞いた事があってその理由がよくわかる気がした。
移動手段は確保出来て僕はルル姉とアネイシア母さんとセシル、ミーシャと一緒に荷物を素早く乗せてティルナノークに向かった。
「ナイア兄さん!バムの事頼んだよ!」
「ああ…任せな」
「出来るだけ早く終わらせて僕も行くから!」
「慌てないでゆっくりでいい…カオス様の説得は頼んだぞ」
「うん」
バムの事をナイア兄さんに任せて僕はティルナノークに向かって舵を取った。




