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「そんな…バムは人格崩壊は治るんですか」
「治す事は可能だが…かなり深刻な状態だ」
「……あまり時間がない事ですか?」
「うん」
「うぅぅ……今バムはどこにいる?」
「ナイア兄さん…」
「分かっている…エロス様、申し訳ありません」
気を取り戻したナイア兄さんはその話を聞いて怖い顔に変わった。
しかし、怒る相手が違う事とこんな事になったのは僕達のせいと分かっているナイア兄さんはすぐエロスに頭を下げて誤った。
「まあ、いいさ…今は一刻も争う事態でね」
「バムがどこに行ったかエロス様ならわかるでは?」
「魔獣に堕ちたといえ、ルティーヤーはカオス様から授かった翼がある…その能力のせいで僕もどこにいるかわからない…それで一緒に探していたデューポンが君達の事を教えてくれてね」
「デューポンからですか…それで僕がバムの主と勘違いしていたですね」
「今は薄ら残っている君達との記憶を辿って何処かに行ったと思う」
「ティルナノークに行っている可能性は?」
「ないね…そこにはカオス様がいるからすぐ気付く…それにもうあそこの記憶は既に残ってないはずだ」
バムのティルナノークの以前の記憶で、一番強い印象が残っている場所とならば一つ思い当たりがある。




