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今思えばその懐かしい感じとは…元の世界でルル姉に出会ってからずっと…僕を見ていた目だった。
当時には気づかなかったが…アルケーミュスに来てからルル姉は僕の世界にいた時から性格がどんどん変わっていた。
いや…変わった訳ではない。
「ルル姉…」
「ん?失礼だわ…私はルカよ?」
「僕を助けてくれた時のルル姉は…貴女でしたね?」
「……ハルト…君」
「やっと僕の名を呼んでくれましたね」
彼女は目を閉じたまま黙って涙を流して…その沈黙と涙を見た僕は確信した。
そう…性格が変わった訳ではなくルル姉とルカは僕を同時に見て感じて接していた。




