18話 修羅場は血の色♡…その1
王都に帰還中のフィリアはラーズ王国国境近辺に着いた。
「我が国の国境内に入りましたね…」
「はい!女王陛下…もうすぐヒューデン国境都市に着きます!」
「城に帰ってからやるべき事が山ほどありますね…」
「……ヘリトリ公爵はどうしましょう?」
「伯父と言え反逆罪…それ相応な処罰をしませんと女王として示しがつかないでしょう」
「陛下……」
フィリアは気が重いようで目を閉じて辛そうな表情をした。
「これも王としての定め……マリーヌを近衛将に命じます!そして…王都に着き次第、近衛兵を率いてヘリトリ公爵を国家反逆の罪で身柄を確保して下さい…」
「拝命、承りました!」
先頭に走っていた護衛の近衛がフィリアの馬車に来て手紙と書類のような物を渡した。
「女王陛下!王都から宰相の使いから緊急な知らせだと…」
マリーヌは手紙を受け取ってフィリアに渡した。
「何でしょうね………これは!!…」
フィリアは手紙を読んだあと…真っ二つに千切った。
「女、女王陛下?」
「ガランディアが…創造の女神の名の下に我が国に宣戦布告をしました…今ナズーラ村に向かって侵攻中だそうです…」
「な!……宣戦布告!盟約違反です!」
「我々が創造の女神に仇す者と協力関係である事が明確な以上ラーズ王国は敵国と見なすと…」
「我々が?訳がわかりませんね」
「創造の女神に仇なす者の名は…シムラハルト様と……」
「はぁ?…冒険者を雇った事が協力だと?そんな屁理屈を…」
「王位の儀済まして国境を越えた同時に…あまりも計画的な宣戦布告…カランティアは私が生きて王位の儀を終えた事で、焦って強行せざるを得なかった…との事でしょう」
「卑劣な…しかし!何故王都ではなく、ナズーラ村でしょう?」
「神の名を出した以上…ハルト様を捕えないといけないでしょう…でなければただの侵略行為になりますからね……捕えさえすれば嘘でも自白したと発表して…侵略は正当化されてしまいます…」
「あのような少年に神は何を…」
「時間がありませんね…マリーヌは予定通りヘリトリ公爵を…この局面に内部から謀反まで起こると…手が付けられません…」
「承りました…」
フィリアは女王になって間も無くラーズ王国はガランディアの侵攻をうける緊迫の状況になった。




