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「正直、人の種が絶滅しても生態系の危機に繋がらない…しかし、今の人の種は世界を動かす軸になっている事を見て世界をより良くする力があると理は考え始めた」
「つまり…理は迷っていると?」
「しかし、人間は世界の繋がりを絶って自然からどんどん遠い存在になり、最早…理は干渉しないといけない状況までに至った」
「世界の繋がりを絶った人間…」
「裏でどんな事をしていたか我々は沢山見た…それは君も知ってるでしょ?」
その言葉を聞いた僕は理を責める事ができなくなった。
国のいう籠に閉じ込まれた人間は自ら目と耳を塞ぎ不安の中で疑心暗鬼になりお互いを牽制するだけでなく…非倫理的な事や秘密裏では恐ろしい兵器まで作った。
生態系を歪み環境を危険に晒す強力な武器や生物兵器実験を途切れないほど繰り返してその影響の被害があっても責任を取りたくないと黙ってあやふやにしてきた。
それも世界の繋がり絶ったせいで可能になって国々は益々不透明な存在になり…世界の存続に関わる罪を犯してもそれを口外せず秘密にする事も平然としている。




