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「しかし…システムに干渉されて動かせるのはまるで自由を奪われた感じで不愉快な気分になります」
「あら?おかしいわね…今の人間は自ら自由を捨てたじゃない?」
「はい?」
「人間は身を守るという名目で国を作り…移動や意志、生きる自由まで捨てたじゃない?」
「あっ…」
個人の力では非力な人間は身を守る為に集団で生きることにしたが人が増えるほど様々な問題が発生した。
知らない人や考え方が違う人、性格が合わない人の中で不安感を感じた人間はそれを纏め上げて導いてくれる指導者を求めた。
いい指導者に導かれ繁栄した集団はその規模が大きくなり国となった。
人が集まり指導者を求めて国を作った事までは否定できないし…むしろ賢いと思っている。
だが…彼女が言っているのはこの先の話…。




