1427/1571
10
「私の顔に何か付いている?」
「い、いや…同じ顔でもやはり別人だなと思って…」
「うふふ…同然だが、そう認識してくれるのは嬉しいよ」
「先の答えですが…僕が感じた事をそのまま言っただけなので…すみません」
「いや…正解だわ…君の考え通りよ、我々は世界の一部であるだけよ」
「世界の一部…」
「君が言った通り…カオスを見れば分かるように彼女はグロスと出会うまで形を得てもその姿を見せた事もなく宇宙の果てでこの世界を見守るだけだった」
「はい…グロスの記憶にもありました」
原始の神々の事はあまりも断片的でその名や存在すら知られてない者も多い。
自分の業の都合で下界に繋がりを持つしかないティアマトすらナンムに引きこもって扉を硬く閉じ閉まり…アプスも表に出る事を頑なに嫌がっていた。




