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3話 その2


落ち着け…ふぁふぁふぁ。


僕は鼻にティッシュを詰めて鼻血を止めた。


「いや…それより、これから軽く夜食作りますので一緒どうですか?」


「それよりって何だ!それよりって!……でも食べるーー♩」


見た目によらず食べ物に釣られる…。


「少し、時間がかかりますので…ゆっくりして下さい」


僕は必死に平常心を保ちながら夜食を作りにキッチンに去った。


「しかし…中々広くて心地よい風呂場だな…この バブゥっての?良い良い!……あやつらと一緒に風呂に入ってた事、思い出すのぅー元気にしてるやら…」


ルルは誰かを思い出しながら寂しげな表情をしていた…。


そして1時間後…。


「ふあ!さっぱりした!」


ルルさんは風呂を済まして僕が用意した召し物に着替えてキッチンに来た。


「良い風呂であった!え…と…うん……着替えありがとう……」


「似合ってます!可愛いです!」


100点満点!思った通りに似合ってる!


白いウサギの着ぐるみ服!


「うん、ありがとう……これ誰の?」


「母の普段着ですが…女性用はそれしかなくて……」


「な!…ふ、ふ、普段…?うん…中々よい趣味ですな…」


母は特殊な趣味でぬいぐるみ服が大好きだった。


寝る時も…部屋の中も、買い物に行く時も!会社に行く時まで…。


生まれてずっと見てきた僕は慣れているからなんとも思わない…むしろ可愛いと思う!


母に洗脳された可能性もあるが…それは些細な事だ。


ルルさんはその服に抵抗感があったか…顔を引き攣った。


でもすぐ慣れてくれた…意外と気に入った見たい!


「夜食、出来ました!どうぞ」


僕が椅子を引き出すとルルさんらそこに腰を掛けた。


中々上品な座り方だった…さすが自称女神様。


「えと…軽くと聞いたが…中々豪快な夜食だな」


……作り過ぎた。


カツにギョウザ、唐揚げ、グラタン、卵スープ、苺のショートケーキなどなど…どれも高カロリー…気付けば夜食と思えないメニューだった。


「つい…嬉しくて色々作ってしまいました…あはは…すみません」


「いや…嬉しいよ!ハルト君の気持ちが伝わったわ…頂きます!……おいひいよ!」


ルルさんは…中々の気持ちのいい男前の食べっぷりで…それを見るとなんだか嬉しくなった。


「お口に合って良かったです!」


「これ、全部ハルト君のお手製かい?」


「はい…家に引きこもってからやる事無かったから料理や色々…」


「そうか…中々の腕前だ!どれも美味しいよ!」


美味しく食べてくれてる彼女を見ると冷めた僕の心が暖かい気持ちが少しずつ広がった。


「しかし、立派な家じゃのう…」


父は、近隣では志村家を知らない人は居ないほどちょっとした資産家で……母は高金利の消費者金融の超やり手だった。


「……そうなんだ…ウサギの着ぐるみのね……想像がつかんわーー!」


実は僕もそう思ってます。


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