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17話 その9

主とはあまりにも力の差があった…。


全ての攻撃は弾かれて反撃まで食らった。


打つ手がない…心まで折れそうだった。


戦いが始まって2時程経ったが…僕達は傷だらけで…主にはかすり傷一つつけられなかった。


それに主はあれほど動いたのに息が上がっている様子もない…馬鹿げた持久力だった。


「あはは…こいつは無理だな」


勝ってる気が微塵もしない…あらゆる攻撃パターンを試したが…全て弾かれた。


「はぁはぁ…何言ってる!まだやれるわ」


「ハルトさん!諦めるのはまだ早いです!」


満身創痍の二人を見て無意識に血が出るほど唇を噛みついた…。


悔しくて涙が出た。


それで僕は最後の選択に攻められた。


そして…決断した。


「二人共…お願い…今すぐここから退いて…」


最初から死ぬ事は覚悟していた。


でも…双子だけは死なせたくない。


ごめん…ルル姉…僕はもう…ダメかも知れない。


いつか…本当の勇者が奴を倒してルル姉を救ってくれるように切実に願った。


「いやだね!」


「私も冒険者です!覚悟は出来ています!」


双子は僕の最後の頼みを拒否した。


本当に自慢の友達で仲間だ…だからこそ死なせたくない!


「イリヤ!リリヤ!いい加減にして!早く逃げろ!お願いだから聞いてくれ!」


「無理だね…逃げられないわ」


「はい!無理です」


主の素早い動きに逃げるのは簡単ではない…でも…双子が逃げるまでの時間稼ぎは出来る。


「僕が抑える!その隙になら逃げられる!早く!」


その時…イリヤは槍を持って入り口に向けて構えた。


「おりゃぁぁああ!」


そして…入り口を崩壊させた。


「何を…やってますか?イリヤさん?」


「ねぇ!無理でしょ?」


「ちょ!おま!おま!なにしてくれちゃてるの?!!これじゃ勝っでも出れないじゃん!」


「ふふふ…それは勝ってから考えましょう!」


完全に退路まで絶たれた僕達は…最早あれに勝つ以外は生き残れない状況になった。

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