17話 その8
イビルゲートの最奥の主が僕達を見て敵意を見せた。
「ぐぁ…あ…ぅ…きぁぁぁぁぁや!!」
奇声を上げて鋭く見える爪を立てて突進して来た。
その主は理性が感じない本能のままで狂った魔獣のように僕達に襲い掛かって来た。
「奮い立て、鉄壁の守り…テトラヘドロン プロテクト!流れ込め、蠢く龍の血脈、ドラゴニアパワー!一瞬の死と生、刹那に喰らい付け!セネロプス バーサリオス デックス!」
僕は自分と双子に使える全ての強化魔法を次々とかけた。
そして…僕達も応戦して最深部の主との戦いが始まった。
その爪は鋼より硬くて鋭く…薙ぎ払う風圧だけで強力なカマイタチが発生するほどの威力だった。
なんてやつだ!攻撃を防ぐだけで全身の骨に響いてきた。
痛い痛い…折れる…これまじで折れるって!
ラズリックさんから貰った装備をしてなかったら既に終わっていたほとの怪力とスピードだった。
その爪の突きと払いと切りつけが非常に早くて僕は対処に戸惑った。
こっちは剣の長さだけが頼りだった。
剣の長さを活かして可能な限り懐に入れないようにした。
剣と爪がぶつかり合って飛び散る火花と風圧は並の冒険者なら巻き込まれると死体も残らないほとの激しい双方の攻防が続いた。




