16話 その4
僕は…正しく…未知の生命体だ。
出足がバラバラになっても生きて…その出足が勝手に動いて…それに意思もある!
挙句に瞬時に結合する人間が存在するか!
その瞬間…アイシビエイチに打ち上げられる前…レイラさんの話しが思い浮かん出来た。
レイラさんは知っていた…僕の体がどうなってるか。
今度会ったら問い詰めよう!
僕はパニックからすぐ立ち直った。
この不思議な体質。
この気持ちの切り替えの早さも多分…ルル姉の加護によるものと確信した…。
その時…森から何が僕に近づく者がいた…。
「は、は、ハルト?」
「ハルトさん!!」
別口の依頼に出ていた双子だった。
…ちゃんと戻って来てくれて嬉しかった。
「イリヤ、リリヤ……た、ただいま!」
イリヤは僕の胸に飛び込で来て…ポンポン叩かれた。
「おかえり……バカハルト!」
「おかえりなさい!ハルトさ…その姿…どうしました?怪我はないですか?」
僕は服もぼろぼろで合体の時に浴びた大量の血が付いていた。
それをリリヤが拭いてくれてた。
「ああ……怪我はないよ…さっき…体がバラバラになっていたけど…」
「はい?」
「いや…なんでもないんだ…うん」
「………ってなんなのよこれ?」
イリヤが倒れてる木と周りに飛び散った僕の血の痕跡を呆然と見ていた。
「うーん…人間としてお別れの証し…?」
「ハルト…頭…大丈夫?」
「ハルトさん…顔色、悪いですよ?」
「ごめん…先…脳死レベルの精神的ダメージを受けてね…ちょっとしんどい…」
「はい?」
先まで欲求不満の自分の下半身とノリがいい両腕と合体して遊んでた事を言えない。
適当に誤魔化して双子と合流出来た僕はギルドに戻って依頼完了したと報告した。




