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16話 その3

村から離れた森辺りには衝撃で数十本の木が折れて地面は丸い形で大きく抉られていた。


「うううう…ゲホッゲホッ!…超痛い」


原因はアイシビエッチに打ち上げられたミサイルマンハルトが…そこに落ちたからだ。


痛み…感覚がある…僕は生きている…。


はぁ…ここはナズーラ村辺りの森だな…何が座標誤差修正だよ!思い切り外れてるし!あぁ…痛いし動けな……あぁぁぁ!!


僕は悲鳴をあげてしまった…。


何故なら…。


目の前に自分の両腕と…下半身がバラバラになって落ちていたのが見えていたからだ。


「なんだ!!あぁぁぁぁぁぁ!」


ショックを受けて悲鳴が止まらなかった。


どうして何だよ…レイラさん!味方じゃなかったの?痛いよ…僕…もう死んでしまうんだ…ルル姉…。


激痛と裏切られたと思うと…複雑気分になって涙が出て来た。


その時…僕の目に信じられない光景が映っていた。


下半身がビックと動き出すのが見えた。


えっ……今、動いたぞ?激痛で幻覚でも見えたか?


幻覚と思ったが…下半身は立ち上がって急にタップダンスを始めた。


あ?…………なにやってる?


僕…ショックで頭がおかしくなったの?


そして、下半身は目の前に来て高速で腰を振りまくっていた。


幻覚じゃなかった。


「ちょー!おま!なにやってんの?僕の下半身さんよー!やめて!やめろー!」


阻止しようにも出足がない…どうにもならんわ…。


そのハッスルがもっと激しくなって来た。


「ちょ…欲求不満かよ!童貞で悪かった!いつか卒業するから!だからやめろ!」


下半身は不思議とその約束を理解出来たようにハッスルをやめてから…リズミカルなスキップしながら…胴体の方に向かってスライディングをした。


そして…胴体と接触すると!


あっという間に細胞同士の結合が始まって綺麗に合体出来た。


え?………わ、笑えねぇ…。


どうなってるの僕の体?ってことは!


まさか!


はっと!僕は落ちていた腕の方に目を向けた。


既に…左腕はVサイン…右腕は準備完了のグットサインをして既に待ってた。


こ、これは!このシチュエーションは!


僕はこんなグロテスクな状況であるが面白く感じでテンションが上がってきた。


「さぁー来やがれ!レッツ合体!とぉー!」


僕はよくある合体シーンのように飛び上がって見た。


そしたら右腕が分かってくれたように…。


胴体に向けて左腕を…がっつり掴み全力で投げた。


「よし!来い!」


だが…投げられた左腕は肩に強く当たり過ぎて…ぺっちゃっと周りに血が飛び散った。


「痛い痛い!パワーバランスが乱れてる右手!」


ギリギリ切断面同士が接触してあっという間に左腕も細胞結合に成功した。


「レフトアーム!セット!よっしゃ!最終合体!」


右腕は二つの指で全速で走って胴体に向かって飛び上がった。


だが…指二本ではジャンプ力が足りなかったようで肩に届かず落ちようとした。


それで右腕は回転を加えて僕の顔を鷲掴みして落下を免れた。


「うぷぷぷー」


ポトポト血を落としながら右腕は肩まで移動して…また結合完了した。


「ライトアームセット!合体完了!未知なる生命体!分離合体人間?ハーァァルト!」


合体を完了した僕はカッコよく決めポーズをした。


しかし…思っていた合体と何か違う気がした。


そう…どう見てもこれ…ホラ映画見たいだよね…。


思い返せば本当に気持ち悪い合体だった。


それで…僕は自己嫌悪になってくの字になった。

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