15話 その9
「へぇ?おバカのレイラがそんな物も持ってるとは…意外だわ!」
「失礼な!!」
ラズリックさんはレイラさんを弄るのが趣味のような気がした。
しかし神であるラズリックさんは使徒のレイラさんを上から目線のような態度は一切見えなかった。
そんな二人を見ると何故この世界に帰りたかったか…わかった気がした。
「よいしょ!よいしょ!よいしょ!よいしょ!」
「…えっ?こ、このデカブツは!」
ラズリックさんは皆さんが持って来たそのデカイ装置を見て驚いた表情をした。
「きゃっ!なにこれ?」
「よっし!邪魔者の排除成功!」
その大きな装置に気を取られたラズリックさんをレイラさんが光の縄で縛った。
「何してるのよ!こ…これは呪縛の光縄!何を考えてる!レイラ!血迷ったか!」
呪縛の光縄…魔神もそれに縛られてしまうと力を封じられて動けない。
短い間であるが…神すら力を封じられるシロモノだ。
「ラズリック…黙ってて!これが一番早くナズーラ村に行ける!」
「持って参りました!レイラ様!」
「ご苦労だった…ふふふ」
レイラさんは懐かしいような表情と何故か悪い顔でその装置を見つめて笑っていた。
「へぇ?これがその移動手段ですか?」
長いカタパルトの様な作り…まるで何かの発射台のように見えた。
「これぞ!私の自慢の一品!神物!アイシビエッチ!昔良く愛用したな…中々楽しいぞ!さあー!早く乗れ!」
何か引っ掛かる…。




