14話 その8
僕はミレナをじーと観察した。
尖った耳、耳の中に柔らかそうな白毛、金色の瞳、長い尻尾、虎のような模様…。
やっぱ獣人族は最高だ!
「なにそんなにジロジロ見てる…それより君は何者だ?」
「僕の名は志村晴人です…同じく冒険者をやってます!」
「へぇ…このあたりでは見かけない顔だな…まあそれより何かお返ししなくては…借りは作らん!何か欲しい物か頼みたい事があれば言えよ…」
ちっ!…そう来たか…。
ミレナは恩人に対して有るまじき態度だった。
イッセリナ司祭長から話しを先に聞いていたので亜人である彼女の態度も納得してる。
なら今一番やりたい事を頼んでみよう!
「では……一つお願いがあります…」
「ああ…」
「その耳!尻尾!無期限で触り放題を要求します!」
「………ふざけてんの?」
ふざけてなとない…超本気だ!逆に大金を払う用意も出来ている!まじで…。
「いやいやいや!本気です!お願い!」
「はっ?それでいいなら……」
よっしゃー♪
ミレナの言葉が終わる前に僕は既に触り始めた。
「うわ!柔らかい!暖かい!耳も尻尾も本物だ!この感触…やめられない!クンガクンガ……いい香り!クンガクンガ!!」
「ひぃ!やめろ!匂い嗅ぐな!変態!!」
ミレナは必死に抵抗したが…僕の力は加護のおかげで超人!抜けれる訳がない!逃がしません。
「何この子…力だけなら人間族の何倍もある私が…やめ!し、尻尾握るな!いやぁぁぁー!」
1時間後…満足した僕はミレナさんを離してあげた。
あーー♪モフモフ最高!
「しゃーしゃーきゃるる!!」
ミレナさんは怒って威嚇して来た。
でも、すぐ座り込んで諦めた表情に変わった。
「一応、命を救ってくれたお返しだ…仕方ない…でも!匂いは嗅ぐなよ!絶対だぞ!」
「善処します、ミレナ姉さん」
「うん、ならいいよ」
ふふふ、善処すると言っただけだ!やらないと言ってない!
あれはもうヤミツキになったから辞める事は無理だ!




