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14話 その6


「うわぁー!思いっ切りクッサとやられましたね…」


僕は傷がこれ以上広がらないよう軽く押して止血しようとした。


「なんだてぇめー?ぶっ殺すぞ!」


険悪な顔で睨んで来たリーダーのような獣人が僕に殴りかかろうとした。


「待て、待てよ!これぐらいなら治るよ!」


僕はまず怪我人を安心させようと治ると断言して僕は彼女にニッコリ笑いかけた。


それに治す方法もある。


「これぐらいって…いい加減な事言うな!致命傷だ!てぇめーの目にあの飛び出ている艶々で綺麗な内臓が見えねぇのか?あん?」


おいおい…こいつ本当に仲間なの?死にかけてる仲間の前で何言ってる?


飛び出ている内臓…ツヤツヤって…こいつアホかなの?


「……………」


負傷してる彼女は両手で顔を隠していた。


お気持ちお察しします……。


「さてさて…ちょっと痛みは有るけど…我慢してね」


生命力が強い獣人族なら、自然治癒力も半端なく高いはずだ。


「蠢く命の脈動…唸る生命の波動よ……促進せよ…ヒスメディカ」


僕は自然回復魔法ヒスメディカを彼女にかけた。


「きゃっ!…ウギャ……痛いしくすぐったい!うはははは!痛たたた…きゃはは…もうダメ!イヒヒヒ!うんぎゃー!」


ビッグビックっと痙攣して体が震えていたが頑張って耐えていた。


「ハルトさん!何をなさったんですか?」


ラネースは大怪我をしていた彼女を見て信じられない表情をした。

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