14話 その5
僕は司祭ラネースさんの案内で破壊の女神の大神殿に行った。
ルル姉の神殿に着いた僕は目を疑った。
他の神殿と違って華やかさもなく…人の出入りのない殺風景だった。
この神殿…本当にルル姉の?
確かにルル姉は神の中でも凄く偉い神と聞いた。
それなのに…。
「あら、ラネース!遅かったですね…何かあったか心配しましたよ」
神殿の中から司祭のような女性が出てきた。
「遅くなってすみませんイッセリナ司祭長様!!ちょっと死にかけたですが大丈夫です」
「はい?ちょっと死にかけたって…?それに沢山の食材…そこまでのお金は渡してないですが…」
ラネースは今までの事情を司祭長に説明した。
「司祭長のイッセリナと申します。ラネースを助けて頂いきありがとうございます…そしてこの温情も有り難く頂きます…」
「志村晴人です…こちらこそご迷惑をおかけしました…ごめんなさい」
僕のせいで怪我させたお詫びをして…ルル姉の神殿の中に入った。
寂れたルル姉の神殿を見て僕は不満気に何故他の神殿と違うか聞いた。
それで…亜人の事と聖魔戦争の事…その以降神殿の事を色々話しを聞いた。
それで何故ルル姉が僕の世界にいたか理由を知った。
「神の不在の神殿に寄付や祈りを捧げに来る者はいないでしょう……」
……不在?
「イッセリナさん!!助けてください!」
その時…三人の亜人冒険者が神殿に尋ねて来た。
それに一人は大怪我をしていた。
「帰りに油断してやられた…これを治せるポーションは売れ切れて4日後出来るらしい…」
どこも回復薬不足は同じ見たいだ…こんな重傷を治せる薬は言うまでもない。
それに…先ラネースにその薬を使ってしまった。
「……他の神殿に頼んでみたが…亜人だからって断れた…ちくしょー」
イッセリナさんは怪我を見て暗い表情で首を横に振った。
司祭長でも崇める神が居なければ大怪我を治せるような奇跡を使うのは難しいとラネースに教えてもらった。
しかし、どう見ても普通の人間なら即死するような深い傷だ。
亜人の生命力は半端ないようだ。
「はぁはぁ…し、仕方ない…油断した私が悪…い…皆んな…ごめん…」
冒険者達は暗い悲しみに包まれた。




