14話 その2
パンパガパーン!さすが高級回復薬…すぐ効果が出た。
血が止まって傷も塞がった。
「うぉ…死ぬかと思った!ありがとう…」
その人は…真っ黒の羽が生えてる司祭のような服装をしていた。
話しは聞いた事あるけど…亜人を見るのは初めてだ。
彼女を見て僕は異世界にいると改めて実感して…興奮した。
「ごめんなさい…高いポーションまで…」
翼人の亜人は困ったような表情で謝って来た。
「いいえ、僕が前をしっかり見てなかったので…あと、ごめんなさい…お荷物ダメになって…」
「あ……」
果物やパンなど食材らしきものが汚れて散らかった。
それでも彼女はソレを黙々と拾い始めた。
通りすがりの人々は無関心でただ見て見ないふり…わざと踏んで行く人もいた…。
あんにゃろう!食べ物を踏みやがった!顔覚えたからな!夜道気をつけろや!
困っている彼女には悪いが僕はそれを拾うのを止めた。
「食材を大事に思うのは僕も同じですが…それはやめましょう…」
「……はい、そうですね…」
僕は落ち込んで泣きそうな彼女の肩を軽く叩いた。
「あの…僕、こう見えても冒険者です!かなり稼ぎはいい方だと自負してますよ!弁償ぐらいさせて下さい!」
フィリア姉さんからもらった金銭袋を見せながらニコッと笑った。
「えっ?…いいんですか?」
「もちろん!ぜひお詫びをさせて下さい」
「ありがとう!助かります!」
よし!許可も貰ったし…ここで男の甲斐を見せてやるか!
その亜人さんを連れて市場に行った。
そして…食材や日用品をあれもこれも見当たり次第爆買いした。
「あの…これ以上、持ちきれません!」
そうだな…なら、配達だ!
持ち切れなかった分は後で彼女の元に届けるようにして更に爆買いを続けた。
「す、すみません!もういいです!本当にありがとうございます!だからやめて下さい」
亜人さんは…ドン引きしていた。
逆効果だった…ちっ!




