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#1

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!

「はぁ-、見たことない機材がたくさーん…ねぇねぇ小此木さん、この機材いくらぐらいするの?」

「その辺のやつ全部3桁万円はあると思うよ。」

「ええっ!?」

「嘘だよ、大体4、5万円ぐらいの安い奴だから適当に触ってもいいよ。」

「それでも高いよ…」



今我々はナオ坊の秘密基地(と、俺が勝手に言っている)のある、小此木家の屋根裏部屋に来ている。なぜこうなったのか説明すると、

Vtuberの動画を見たナオ坊が、これならできると言い、それに食いついたミーハ…委員長がどうやってVtuberになるのかを聞き、巻き添えを食らう形で俺達男性メンバーもナオ坊の家に引きずり込まれた、というのが事の顛末だ。勘弁して欲しい。



「委員長、そんなの触ってる暇あったらさっさと本題に入ったらどうなんだ?」

「あ、それもそうだね。えっとじゃあ、小此木さん、どうやったらこういう映像が作れるの?」



委員長が聞くと、ナオ坊は無い胸を張りながら自信ありげに答えた。



「それはね、モーションキャプチャーだよ。」

「そのモーションキャプチャー、ってのはどんなやつなんですか?」

「ふふん。よくぞ聞いてくれました!モーションキャプチャーというのはですね、人間の腕、足、腰などの各部位にセンサーをつけ、それを専用のカメラなどの機械で読み取るというものです。3DキャラクターのVtuberの方達は、3DCGのキャラクターをこれで読み取ったモーションにかぶせて動画にしています。」



自信満々にそう語ったナオ坊はさらに続けて、



「モーションキャプチャーの機材は持ってないけど、2DのVtuberさんがやってるリップシンクとかの体験なら出来ますよ。どうします?したいですか?」

「やりたいやりたい!」


委員長は相変わらず元気に呼応した。いつもの清楚さはどこへ行ったのだろうか。



15分ほどして、ナオ坊側にある機材の準備が整ったらしく、まずはやりたいと大きな声で立候補した委員長が体験することになった。



「はい、じゃあ桐生さん、この球体のカメラ、これを見て下さい。」

「はーい。」

「オッケー、その調子です!じゃあ次は…」



という感じで調整は順調に進んでいるようだ。



「小此木さん凄いね。 17歳であんなにパソコン使える人、俺初めて見たよ。」

「当たり前だ。アイツを誰だと思ってる?中1の時に、『小此木さん、保護者の説明会で使うパワーポイント、作るの手伝ってくれない?』って3年担任してる先生に頼まれた女だぞ。ついでに言うと『なんか出来そうだったから。』って言って仮名文字タイピングを秒間23連打した女だぞ。しかも欠伸しながら。」



正直アイツの才能には誰も追いつけないと思う。



「…ひょっとして、小此木さんって天才?」

「いや、アイツは一直線型のバカだ。パソコン、電子機器に関係あれば天才だが、それが関係しないと赤点ギリギリしか取れない。」

「あらら、そりゃあ大変だね。ところで西畑君は-」

「うわぁ!すっごい!喋ってる!」

「ん?どうしたんだ委員長?」

「とりあえずこっち来て!」



騒ぎ方からして設定が上手くいったのだろう。委員長が大声で離れた所にいた俺達を呼んだ。



「どうしたんですか?」

「この画面見てて!」



そう言うと委員長は謎の球体-恐らくwebカメラだろう-を持って画面に写っている黄色い顔の絵文字の横に並行に立ち、話し始めた。



「どう!?動いてる!?凄いでしょ!」

「凄いのはナオ坊だがな。まあちゃんと動いてるが。」

「あはは…」



画面の顔と委員長の顔、特に口の開閉の動きがほぼ寸分の狂い無く一致していた。


やっぱりこの短時間でここまでクオリティーの高い物を作るナオ坊は凄いと思う。



「ねえねえ!せっかくこんな事出来るならさ、いっそのことホントにVtuberになってみない!?」



語勢を荒げて委員長が詰め寄ってきた。



難しくないですか?と言おうとした瞬間、


「良いですね!やってみましょうVtuber!」


と、何故か乗り気の力石に言葉を阻まれた。


「おいお前ら、そんなこと言っても、ナオ坊の負担考えたら無理だろ。」


「いや、こんなのなら直ぐに出来るよ。」


…そういや天才だった。



「あ、もちろん西畑君も絶対参加だからね!」




…俺関係なくない?


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